資格は自己肯定感につながる
私が、TOEIC試験を受け、対策の勉強を本格的に始めたは40歳からである。
ずいぶんと「遅咲き組」であるものと自覚している。
それでは、40歳になるまで何をやっていたのか、振り返ってみたいと思う。
社会人になって、幸運なことに勉強する習慣はついていた。
満を持して、30歳で「英検2級」
ここまでは順調な道のりでああった。
30代のころは、結婚し、子供が生まれて、仕事も忙しくなった。
正直、勉強どころではなかった。
転機となったのが、体調を崩し、どん底まで落ちたことにある。
ちょうど厄年の40歳。
そこから、地獄のような日々だったが、やはり、自分の強味は何かと考えたところ、こつこつと資格の勉強を継続する、ということであった。
40歳になり、新規一転、TOEICの勉強を始めた。430点からのスタートであった。
そして、何度か挫折したものの、やはり英語へのあこがれは捨てきれなかった。
48歳で、一応の目標としていた730点を突破した。
現在、50歳、次なる目標、800点突破を目指して、TOEIC対策を継続している。
もっと若いうちからTOEICを始めればよかったという後悔はない。
むしろ、20代で、「通関士」と「宅建」を、先に取得しておいてよかったと思う。
こうした資格は、持っていて「損」はない。
ただし、私は、あれもこれも同時に勉強を進めることはできない性分である。
人に寄るかもしれないが、目標とする資格の勉強は、「ひとつ」と決めている。
・私の資格遍歴
社会人になり、最初に配属された職場は、貿易関係で通関実務を扱うところだった。
通関士の勉強には、うってつけの環境であった。
なにしろ、毎日の仕事が、試験問題をイメージ化しやすいものであった。
ここで学んだことは、資格試験対策には、「イメージ化」がすることが大切、ということである。
通関士試験は一発合格だった。
調子に乗った私は、次に、宅建試験に目を付けた。
学生時代は民法を専攻していたこともあり、ゼミの先生から、
「ウチのゼミ生なら、宅建くらいは持っておけ」
と言っていたのが忘れられなかったからである。
不動産取引とは縁のない職場であったが、通関士試験の勉強が役に立った。
試験科目の「宅建業法」が、通関士試験の科目「通関業法」と構造が酷似していた。
具体的には、通関業者と通関士の関係が、宅建業者と宅建主任者の関係にそっくりなのだ。
さらに、業者の役員の欠格事由とか、細かな決まり事が似ているのである。
通関士試験は、日本関税協会が発行する参考書と問題集を使い独学で行った。
ただし、宅建試験については、専門学校のTACに週1回通学した。
そして、試験日を迎えて、これも一発で合格。
このころは、資格試験が楽しくてしょうがないという状態であった。
やればやるだけ、その結果が「合格」となって達成できるので。
しかし、図に乗って、次にチャレンジした「大型自動車運転免許」は、あえなく挫折した。
自動車学校を中退、自分には、機械の操作は向いていないことを悟った。
だから、やみくもに、続ければいいわけではなくて、自分に向いていないとか、面白くないと感じたら、スパッと身を引く潔さも、時には必要である……。
・英語の資格にチャレンジ
英検2級の勉強をはじめたのは、30代の時。通関士、宅建と合格して、いよいよ、それまで避けていた「英語」に照準を合わせた。
しかし不合格が続き、とりあえず、レベルを落として、準2級にチャレンジ、ここで合格を決めてから、2級を再チャレンジ、ここでも何度か不合格の苦渋を舐めた。
31歳で英検2級合格、このまま準1級に進むものの、これが高い壁であり、50歳になった今でもこの壁を超えることはできない。
(もっとも、40歳になって、英検からTOEICに軸足をシフトしたので、最近は、英検の受験をしていない)
最後に英検準1級を受験したのは、36歳の時、(これも不合格)
基本的に私は、しつこい人間なのかもしれない。
英語の勉強に関しては、スパッとあきらめることができない。
いったん「もうやめた」と思っても、また、未練タラタラで勉強に戻ってくる。
ただし、さすがに40歳の大病を期に、これはなんとかしなくてはいけない、と思い、
結果が「合否判定」による英検から、数値によるスコアを判定するTOEICに転向したわけである。
ひとつのことしかできない私は、とてもTOEICと英検の併用はできない。
そこからが、加齢も重なり、現在まで続くザ・ロング・アンド・ワィンデング・ロード(長い道のり)である。
TOEIC600点、そして730点の壁に何度もぶち当たり、目標スコアを突破することができなかった。
それでも、めげずに、勉強を継続できたことは、「通関士」や「宅建」の勉強で培われた、ある種の資格試験に対しての「勉強の習慣化」があったのかもしれない。
私は、資格試験に関しては、「あれもおれも」というマルチタスクではなく、
優先する資格をひとつ決めて、ひつつづつ合格をうかがう、「シングルタスク」のタイプの人間である。
「一石二鳥」という言葉ああるが、されど「二兎追うものは一羽も得ず」というのもまた真実である。
べつに資格を持っているからといって、実力があるわけではない。
けれども、資格を持っている人が言うことは、持っていない人のいうことより、知識に裏付けされた説得力があると感じている人もいるのも事実である。
先行きが不透明な時代だからこそ、勉強をあきらめないようにしたい。
そして、勉強の成果として「資格」の獲得にチャレンジしていきたい。