資格試験は夢実現のパスポート
「英語が話せたらいいな」と思う日本人は多いと思う。
将来の夢を語る子供たちも「英語ができるようになりたい」と言っている。
英語上達のためには、英検やTOEICといった資格試験を活用することを勧めている私であるが、「英語の資格」とは距離を置く英語の学習者も多い。
自分がやりたいのは英会話であってTOEICや英検みたいな「英語資格」ではない。
TOEIC900点や英検1級でも「実践的な英語」が出来ない人がいくらでもいる。
こう反論される方が多い。
どうも「英語が話せるようになること」と「英語資格試験」とは別物と考えている節ががあるようだ。
その気持ちは痛いほとどわかる。
なぜなら、私が40代になるまで、ずっとそう考えていたからである。
1.英検・TOEICを批判
別に資格試験で英語能力が決まるわけではない。
私も若い頃は、そんな考えにとりついていた。
もっぱら英語の学習と言えば、「英字新聞」や「洋楽カラオケ」といったカタチから入っていくことを良しとしていた。
つまり、私自身も英検やTOEICを頑張る人を見下していた。
なぜそんな気持ちになっていたのだろうか?
正直に言えば、自分が英検やTOEICの勉強をするのが嫌だったからである。
どうしたら、苦労せずに英語が上達でくるようになれるか?
そればかり考えていた。
英語にまつわる雑学、たとえば、大リーグとか欧州サッカーリーグ、欧米の鉄道事情、米英ロックなど、「引き出しの広さ」を売りに、ネイティブスピーカーと「おしゃべり」に昂じている自分に酔っていた。
今から考えると赤面ものである。
私の致命的な英語の欠陥は「基本」ができていないため、おそらく「趣味領域の単語」を並べただけの一方的なおしゃべりを「外国人と英語でコミュニケーションができている」と勘違いしていたことになる。
英語の出来る人であれば、私の話す「フェイク英語」の薄っぺらさをすぐに見抜けることができる。
けれども、英語のできない人にとっては、「外国人と会話して話題が盛り上がっている」という光景を見て、私が英語ができると「錯覚」してしまっていたのだ。
さらに悪いことに、そうした「錯覚」から来る「賞賛」を、私の更なる「英語資格不要論」に拍車をかけてしまったのである。
ところが、おそらく英語の基礎ルールができてない私の「単語の羅列」について、おそらく(口や態度に出ないまでも)相手には「不快」に感じさせていたのではないだろうか?
2.私の資格試験遍歴
「自分は英語ができる」と、勘違いも甚だしかった。
それに気が付いたのが、40代になってから。
やはり、なんらかの英語を活用するチャンスを与えるためには、上っ面の英語力ではなく、英検2級とかTOEIC600点以上といった客観的な指標が必要なのである。
いくら「自分は外国人と英語を使って話題が盛り上がれる」と自負しても、それをうらずけるためも「見える化」が必要である。
多くの人に自分の過ちを繰り返して欲しくないと思う。
そこでおすすめなのが「英語の資格試験」を主軸に据えた学習方法である。
英語の資格試験は数あれど、二大メジャーの「英検」と「TOEIC」を勧める。
「社会人ならばTOEICがおススメ、英検は時間のムダ」
こういう意見も耳にするが、私は異を唱えたい。
いくら社会人とはいえ、いきなりTOEICでは、ハードルが高すぎるのである。
もちろんTOEICを受けること自身は反対をしない。
低スコアであっても、そこから這い上がっていけばいい。
けれどもTOEICのネガティブ面は、初級者も上級者も同じ土俵(テスト)で勝負しなければいけないということである。
正直、英語の出来ない人にとっては、これがツラいところである。
世の中のTOEIC教育指南者は「ココ」がわからないのである。
そこで、まずは「英検3級」を受けてみるのはどうだろうか?
一応、義務教育終了の英語力が試されるのである。
受験者は中高生ばかりだが、そこは「恥」を忍んでもらいたい。
そして、なんとか「英検2級」くらいまでにレベルアップをしてもらいたい。
私の体験からすれば、英検2級を取得するくらいになってから、TOEICに転向した方がいい。なぜなら、TOEICをゲーム感覚で楽しめるようになるには、やはり英検2級くらいの実力があってからでのないと難しいからである。
私の経歴は、20代は英検2級にチャレンジして落選続き。30代直前に「準2級」にスローダウン、ここでなんとか合格を勝ち取り、30代の滑り込みで2級獲得。
これが会社で評価されたのか「海外出張」の機会に恵まれた。
その後、英語との距離を置いたものの、40代での大病を期に、自分のキャリアを見直す。そして、そのひとつに「英語スキルをさらに磨く」と決意。
英検からTOEICに軸足を移し、目標のTOEIC730点突破したのが48歳。
念願の「英語を使う職場」に配属されたのが、その直後からの2年間。
現在は、英語を使う職場からは離れたものの日常業務で英語ができることの恩恵を受けている。
3.まとめ(資格に挑戦しよう)
こうした経歴からキーとなっているのは、会社は、自分の「英語資格」をきちんと評価してくれていることである。
・英検2級取得直後に「海外出張」
・TOEIC730点取得直後に「英語を使う職場への配置換え」
これは、単なる偶然ではなく、会社が意図的に資格獲得を評価してくれている。
こうしたことを奇貨として、英語学習に言えることはたったふたつ。
・独学でもいいが我流ではダメ
・英検、TOEICを主軸に据えた学習
これに尽きるのである。
まだまだ英語資格の挑戦に気持ちの整理がついてない人も多いと思う。
しかし、勉強を始めることに遅いということはないのである。
英検やTOEICの批判は、ある程度のレベルに達してから言うことにしよう。