うえけんのTOEIC劇場

いかにして40歳からのやり直し英語にハマったのか?

ラダーシリーズこの3冊

 多読で英語力アップ

 英語のリーディング力を鍛えるためには、多読が必須ある。

 英文でかかれた雑誌、新聞、書籍などを使うのが良い。

 ただし、自分の興味があって、身の丈にあったレベルが良い。

 英字新聞や英雑誌では、読者対象は英語を母国語をする人である。

 たから、いくらサッカー好きが「サッカー専門誌」鉄道好きが「鉄道専門誌」を読んでみてても、(その前向きな気持ちはとても大切だが)、TOEICや英検対策に使えるかといえば、その効果は怪しい面がある。

 なにしろ専門誌で使われる英語が、自分のレベルに合っているものかどうなのか、その点は気になるところである。

 繰り返すが、それでも「好きこそものの上手なれ」ではないが、サッカーが好きな人がサッカー誌、鉄道好きが鉄道誌を、英文で挑戦する気持ちは大切であるし、自分の関心のないジャンルの雑誌、書籍を読むよりは、英語に対する「前向きな気持ち」が生まれ、その手の購読に金を惜しんではならない。

 多読のひとつして、IBCパブリッシング社から「ラダーシリーズ」が出版されている。これを学習者の教材として使わない手はない。

 同シリーズは、学習レベルによって細分化されており、また、巻末には、用語集(辞書)が掲載されている。

 一般的な洋書を読むとき、いちいち辞書を引かなくてもなんとなく意味が理解できる構造になっている。

 さらに適度に物語が要約されているため、最後まで読み切るボリュームが少ない。

 これは、一冊読み終えることによって、達成感や充実感が生まれ、英語学習者の自信につながる。

 私自身、ラダーシリーズで、自分のお気に入りの本を読むことによって、TOEICや英検読解問題への「アレルギー」が無くなった。

 ラダーシリーズは、伝記、物語、小説、時事問題など多種多様なジャンルがある。

 だから、ぜひ自分の気になるジャンルと「身の丈にあったレベル」の本があれば、それを挑戦してもらいたい。

 英語学習者の中級レベルの人は、英検2級、TOEIC600点前後だと思われる。

 英検準1級、TOEIC730点に向けて、まさに資格試験の「正念場」を迎えてる人たち。

 ラダーシリーズでいえば「レベル4」にあたる。

 そんな学習者には次の書籍をススメたい。

 ・ビートルズ・ストーリー

 ・ステーブ・ジョブズ・ストーリー

 ・1984年(ジョージ・オーウェル

 以下、この3冊の読みどころと活用法を紹介していきたい。

1.ビートルズ・ストーリー

 英語学習者は、ビートルズと仲良くしておいた方がいい。

 ビートルズの楽曲は、受け皿の幅が広い。

 英語の勉強のためにビートルズを聞くのではなく、英語を楽しむ、親しむために、ぜひ、ビートルズを取り入れてもたいたい。

 彼らの代表曲として「ヘイ・ジュード」や「レット・イット・ビー」がある。

 この2曲は、スローペースで、比較的平坦な英語で歌われている。

 ビートルズの楽曲の200曲あまり。総じてハズレがない。

 彼らの音楽にハマったら、実働8年、彼らの活動期間に関心を持とう。

 インターネットなどを活用して構わない。

 まずは、日本語で、ざっくりとした彼らの歴史を振り返ってみよう。

 そして、曲を聴いて、これは4人のうち、誰が歌っているのかが、わかったくらいになれば、ラダーシリーズの「ビートルズ・ストーリー」を手にとってもらいたい。

 英語によるビートルズの歴史、音楽と相まって、頭の中へ入っていく。

 特に、ジョン・レノンの「宝石発言」や「キリスト発言」など、数々の「炎上騒動」を、原文で読むことによって、英語による味わいが深まる。

 同書には、きちんとセリフが掲載されていて、ビートルズファンには、おもわずニヤリとさせられる部分がある。

2.スティーブ・ジョブズ・ストーリー

 IT界のビートルズといえば、スティーブ・ジョブズ

 いや、パソコン、音楽プレーヤー、スマートフォンなど社会を変えるインパクトとしては、ビートルズの比ではないと思う。

 アップル・コンピューターの創設者、スティーブ・ジョブズの伝記、これも「読み物」としては、外せない1冊である。

 ラダーシリーズをより楽しむためには、まずは、日本語による「スティーブ・ジョブズ」(ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳(講談社))の伝記を読むことをおススメしたい。

 英語学習者のみならず、スティーブ・ジョブズの破天荒な生きざまは、読んでいて損はない。私も、日本語による「スティーブ・ジョブズ」の伝記は、自分の人生を変えた「生涯の5冊」のうちの一冊である。

 ダイエット本をいくら読んでも体重が減らなかった私でも、この本を読んで、ダイエットに成功したというエピソードもある。 

 まあ、それはとも角として、一応、日本語の伝記で彼の生涯を頭の中に入れ、ラダーシリーズの「スティーブ・ジョブズ」を読むと、スラスラと内容が入っていく。

 余談だが、スティーブ・ジョブズの話は、英検準1級でも出題されたことがあり、「時事英語やビジネス英語を学ぶ」という側面からでも必読の1冊である。

3.1984(ジョージ・オーウェル

 伝記だけでなく、ぜひ英文小説にも挑戦してもらいたい。

 ジョージ・オーウェルの「1984年」は、まさに必読の1冊。

 プライバシーと監視社会の問題を小説というカタチで切り込んだ名著で、古典でありながら、今なお、色あせない内容である。

 この本も(もちろん日本語版であるが)、私の「生涯の5冊」の1冊である。

 社会学者・奥井智之氏の「60冊書物による現代社会論」(中公新書)で紹介された本である。ちなみに奥井氏の「60冊書物」は、私の本選びのバイブルであり、生涯目標として、この60冊を読了したいと思っている。

 1984年(ジョージ・オーウェル著)については、日本語版のみならず、ペンギン書籍による英語版を挑戦し、最後まで読み切った「生涯唯一の本」である。

 ペンギン版(洋書)は、やはり言葉が難しいので、日本語版を伴走本として、英語、日本語と並行して読んでいった。

 ラダーシリーズは、原書のボリュームを抑えられ、同書のエッセンスを抽出して再構成され、英語学習中級者のレベルに合わせた作りになっている。

 1冊の英文小説を読み切ることは、英語に対する自信にもつながる。

 こうした自信の積み重ねが、英語のレベルのかさ上げになっている。

4.まとめ(ラダーシリーズのススメ)

 読書を趣味とする英語学習者は、ぜひ洋書にチャレンジしてみよう。

 ただし、いくら多読とはいえ、あれこれ手を出すのは合理的ではない。

 ラダーシリーズは、良質な内容の本を、多岐にわたるジャンルで。しかもレベル別に出版されている。

 英語学習者にとって、同シリーズの存在は福音である。

 私の場合、「ビートルズ」「スティーブ・ジョブズ」「ジョージ・オーウェル」にそもそも関心があった。

 だから自分の気になる作家の作品や著名人の物語が「ラダー・シリーズ」で取り上げられているとしたら、ぜひ手に取り、読んでもらたい。

 英語の資格試験に「即効性」は無いかもしれない。

 それでも間違いなく、英語のチカラが身につくはずである。