うえけんのTOEIC劇場

いかにして40歳からのやり直し英語にハマったのか?

職業訓練と英語

 英語で働くために学びたい

 ハローワークが斡旋する「離職者等再就職訓練」がある。IT、介護、医療関係の科目が盛りだくさん。こうしたジャンルは成長分野であり、人出も足りないのかもしれない。一方、英語に関してはどうだろうか?

 職業訓練の対象スキルとして英語の機会があってもよさそうなものだ。

 けれども就職訓練パンフをみたところ、英語科目は皆無である。

 1.英語と雇用のミスマッチ

 英語は、会計やパソコンとともに社会人三種の神器といわれている。

 けれども、パソコン技能(WEBデザインやITスキルを含めて)は多いのだが、英語を職業訓練の一環として学ぶ機会は少ないように感じる。

 このあたりは英語学習者と雇用機会とのミスマッチがあるおうに思われる。

 しょせん英語は道具に過ぎないのか? 

 英語を使って、何の仕事をするのか?

 その決断こそが大切である。

 思うに、英語を使う仕事では、「通訳・翻訳」「英語教育」「通訳ガイド」の三つがあげられる。繰り返すが「再就職訓練」には、英語をメインとした講座がないとはどうしたものだろうか?

 三カ月間だけでは、英語スキルは身に付かないものか?

 英語の勉強は政府や自治体の支援ではなく、身銭を切れということか?

 英語が出来れば再就職に有利になる。

 そういわれて久しい。

 巷ては英会話教室の広告が花盛り。

 民間の教育訓練機関に委託する「緊急対策」に、IT・医療・介護の他、「英語スキル」も加えてみてはいかがだろうか?

 2.貿易ビジネスにかかわる

 こうした背景の中、唯一の例外といえるのが「貿易ビジネス」。

 貿易ビジネスに関しては、英語学習経験のある方が対象とされる。

 受験できる関連資格として、TOEIC600点以上の知識の習得がある。

 つまり、英語を武器として再雇用を考えた場合、貿易実務の経験も必要になる。

 英語と貿易実務の二軸の展開である。

 実際、国際コミュニケーション・貿易ビジネス科の案内を見てみる。

 ・貿易実務検定C級

 ・通関士

 ・TOEIC

 ・BATIC(国際会計検定)

 ・日商簿記3級

 以上の資格を受験できるとされている。

 ただし、30年近く、貿易ビジネスに携わった人間からすれば、たった3カ月の勉強で、これだけの資格を制覇するのは、まず無理な話である。

 (ちなみに私は、通関士、TOEIC760、簿記3級を持っている)

 二軸や二刀流の重要性を日頃から力説してきる私ではあるが、通関士なら通関士TOEICならTOEICと、職業訓練の3カ月間は、どちらかに焦点を当てた方がいい。

 あれもこれもと手を広げ過ぎると、結局、何も手に入れることはできない。

 思うに、TOEICは、あらゆるビジネスにとっての基礎である。

 一日中、TOEIC対策をやるのは、メリハリがない。午前にTOEIC対策、午後に貿易実務(通関士、貿易実務検定)や簿記の勉強をするのも、それはそれでアリかもしれない。

 繰り返しになるが、英語スキルはつぶしが効くのである。

 IT、医療、介護の分野でも、せめてTOEICの対策を取り入れても良い。

 通訳・翻訳を目指す人、英語教育に関わりたい人、観光サービス業など、あらゆる分野において、英語スキルの汎用性は高いと思う。

 職業支援科目として「貿易分野」のみ、英語が取り上げらていないことは残念でならないし、英語の学習者とのミスマッチがあるかもしれない。

 日本人は英語が下手だとかよく言われる。

 英語イコール貿易実務者がやるもの、というスキルのステレオタイプが、グローバル化が進まない要因なのかもしれない。

 3.成長分野のEコマース

 貿易実務に携わってきた者として、ビジネスの潮目が変わりつつある。

 それは、Eコマース(電子商取引)の台頭である。

 これまで、貿易といえば、商社が買い付け、フォワダーが船腹予約をして、通関業者が輸入許可を得る、という大まかな流れがあった。

 けれども、Eコマースの台頭で、こうした前提が変わりつつある。

 貿易実務が個人レベル、法人レベルで直に取引をするようになってきた。

 越境Eコマース(交際間電子商取引)は、十分に将来性がある分野のひとつ。

 そして、越境ECに関わるためには、英語力が不可欠である。

 職業訓練としても、ここに目を向けるべきではないだろうか?

 もちろん、越境ECは、ただ英語ができればいいという話ではない。

 パソコンスキルも必須であるし、会計能力も不可欠である。

 これからの時代でも、社会人としての三種の神器である「英語、IT、会計」のスキルは、あらゆる点で理にかなっているし、求職者にも、こうした技能を学習する機会を提供するべきである。

 4.まとめ(職業訓練に英語を!)

 英語ができるようになりたい。

 仕事の幅が広がるし、得る情報も各段に増える。概して、英語ができる人はビジネスセンスも良い。

 かつて「読み、書き、そろばん」と言われていた。いまや「英語、パソコン、簿記」が不可欠な技能ではないだろうか?

 世界共通語である英語、これを活用しない手はない。

 TOEIC600点以上は、パスポートやクルマの免許を取ることと同じこと。

 夢に向かって、一歩を踏み出そう。