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いかにして40歳からのやり直し英語にハマったのか?

旺文社VSアルク、パス単か?キクタンか?仁義なき英検単語帳の戦い

 英検準1級学習者の「パス単」「キクタン」の使い比べ

 英語検定は単語にはじまり単語に終わる。

 単語帳は、英検学習者にとってマストアイテムである。

 常にカバンの中に忍ばせ、スキマ時間で活用している。

 英検単語帳は、旺文社の「出る順パス単」(通称「パス単」)とアルクの「キクタン」の両雄が火花を散らせている。

 両方とも活用しないと、わからない点もある。

 ちなみに私は、当初は、旺文社の「パス単」を使っていたものの、「キクタン」に転向した経緯がある。

 奇しくも「パス単」と「キクタン」の両方を使った経験があるので、それぞれとメリットとデメリットを解説していきたい。

 1.パス単(協会推奨の強み)

 まずは、旺文社のパス単について。

 大型書店の英検対策コーナーへ行くと、まずもって「旺文社系」のアイテムが幅を利かせてるのがわかるだろう。

 とくに、単語集の「パス単」と過去問題集の「過去問」は、合格へのパスポートといわれる(もちろん宣伝)くらい、英検学習者にとっては、ベーシックアイテム。

 さらに、英検協会の推奨もあり、一応、英検といえば旺文社が上げられる。

 単語集(パス単)も御多分にもれず。おそらく、英検単語集の王者であろう。

 推奨と公式はどう違うがわからないが、英検協会の「お墨付き」を得ているので、そういう面では、安心感がある。

 単語帳としては、申し分ないハンディサイズ。さらには、「英語の友」というスマホアプリを使えば、音声も活用できる。

 (いまどきアプリを使わない学習者はいないと思われる)

 スマホさえあれば、耳から学習できる。(つくづく良い時代になったものだ)

 更に、副教材として「パス単書き覚えノート」というのがある。

 これは、パス単をそのまま「手書き」による活用ができるので、写経派の私にとっては嬉しい限り。

 実際に「書くことで単語を覚える」、いや「書かなければ覚えられない単語がある」、さらに「書くことに寄って、勉強した気になり、充実感が生まれる」

 実際、英検準1級の中には、すでに血肉化されて、覚えなくていい単語もある。

 だから、先に「書き覚えノート」をやり、三回書いて間違える(覚えてられない)単語については、パス単本体にしるしをつけて、パス単を持参して、スキマ時間や空き時間などに、チェック済の覚えられない単熟語についての重点トレーニングをしている。

 自宅学習で「書き覚えノート」、外出先で「パス単リスニング」を活用している。

 デメリットしては、単語に比べて熟語がおざなりになっている感がある。

 私の場合、語彙問題の後半に出てくる「熟語問題」の正解率が悪い。

 ここを強化したいのだが、なんだか、じっくりと単語を解説している割には、熟語になるとダイジェスト版のような体裁になっている。

 熟語の軽視については、パス単だけでなく、キクタンもそうであるのだが、このあたりは、ぜひ、手に取って、納得いく方を確認してもらいたい。

 2.キクタン(挑戦者の矜持)

 旺文社の「パス単」が王道なら、アルクの「キクタン」は、さしずめライバルか?

 さすがに聞く英語学習に定評のあるアルクだけあって「キクタン」を勧める人も多い。

 英検協会には「非公認」ながら、キクタン英会話などで、単語習得のノウハウの詰まったアルク社ならではの仕上がり。

 実は、パス単に軸足を置いていた私、どうにも語彙問題の苦手意識が克服できずにいる。その原因は、公認にあぐらをかいている「パス単」にあるのではないか、と思い、最近は、キクタンに切り替えてみた。

 まずは、(あくまでも好みの問題であるが)、パス単に比べて、キクタンは、テキストの質感が良い。手にしたときのフィット感がパス単よりも優れている。

 さらに、単語帳のレイアウトも二色刷りのストライプ。単語学習によくある「行ズレ」を克服する工夫がみられる。

 そして、圧巻なのは、リスニング音声。BGMには軽快な音楽(しかもクセがなく、しっくりくる)が流れている。パス単の音声が「お経」みたいですぐに眠たくなるのに対して、さすが「リスニングのアルク」、単語と例文のメリハリがついて、聴く者の興味をそそられる仕掛けになっている。

 パス単に飽きている私にとっては、キクタンは新鮮だった。

 ただし、キクタンにもいくつかの問題点がある。

 まず巻末に収納されているCD。ちゃんとアルクにもアルコというアプリで音声ダウンロードができるので、スマホ全盛のこのご時世、デフォルトでCDを収納しているのはどうかと思う。(ディズク一枚収納は持ち運びに不便)

 さらには、「パス単」には「書き覚えノート」という副教材があるが、キクタンにも「キクタンワークブック」という、手書き派が喜ぶ副教材がある。

 しなしながら、パス単と書き覚えノートはイコールな関係であるのに対して、キクタンとワークブックは、共通フォーマットではない。ランダムに掲載されて、相関関係が無い。ワークブックで「間違えた単語」を、キクタン本体にチェックしようにも、その単語を探す手間がとても面倒なのである。

 せっかくキクタンを冠にしたワークブックを販売しているのなら、キクタン本体との同一性(言葉の順序や章の統一)が欲しいところである。

 また、大きさも中途半端。「ワークブック」といいつつも、キクタン本体とあまり変わらないサイズ。

 たとえば、パス単であれば、本体がハンディサイズであるものの、書き覚えノートは、ノートだけあって、大型版になっている。写経派にとっては、やはりノートは大きい方がいい。

 また、キクタンは、パス単に比べてひとまわり大きいサイズなので、肌身離さず持ち歩くには、キクタンではちょっと大き過ぎるきらいがる(巻末のCDも邪魔)

 自宅学習ではキクタンに転向した私だが、携帯にはパス単に再転向している。

 3.まとめ(パス単?キクタン?)

 以上のとおり、パス単、キクタン、どちらもメリット、デメリットがある。

 欲を言えば、両者のいいとこどりの究極の単語帳が欲しいところである。

 特に語彙力の弱い私のとっては、単語を実際に紙に書いて覚えることを常としているので、その意味では「書き覚えノート」とリンクしている「パス単」に軍配があがる。

 けれども、パス単の音声は、お経みたいで、キクタンのようなワクワク感がない。これは、単語帳本体の紙質やレイアウトにも言えることである。

 どちらが良いということではなく、実際に手にとって見比べてみてもらいたい。

 たかが単語帳、されど単語帳である。