うえけんのTOEIC劇場

いかにして40歳からのやり直し英語にハマったのか?

TOEICと通関士と宅建・はじめの一歩はどの資格?

 学生と新人社員の生存戦略

 TOEIC760点、通関士宅建合格の自称「ミドル資格の三冠王」の私が、自分の経験を踏まえ、どの資格をいつ取得するべきか、そして、何の勉強からはじめたらいいかをお伝えしたい。

 1.学生はTOEIC一択

 貿易実務に関わって30年。

 やはり多くの貿易実務者の先輩、同僚、後輩を見て来た。

 貿易実務だけあって、「通関実務」や「輸出入手続き」に興味がある人が多い。

 学生時代には、就職活動に生かそうと「通関士」をチャレンジしたという話を聞くが、概して不合格に終わっている。

 私なりに考えると、学生にとっては、通関士宅建は難しいと思う。

 なぜなら、通関士宅建といった「ビジネススキル系」の試験は、学生のウチでは、社会経験がないことから、「イメージ化」ができないのである。

 私も、学生時代は、民法を専攻していた手前、「宅建」の試験に興味を持ったものの、出題で問わわれている「意図」とか「意味」がさっぱりわからないのである。

 社会人経験のない学生にとって「通関士」や「宅建」は、不利と言える。

 言い換えれば、ビジネススキル系資格は、就職活動に備えるのではなく、入社してから「社会人の勉強」や「自己啓発」としてとらえるべきである。

 やはり、学生のウチはTOEIC一択と言える。

 TOEICのスコアが高ければ高いほど良い。

 学生時代から「英語スキル」に照準を合わせてる人は、英語そのものに関心がある人が多い。つまり、中高生時代、「英検」に携わったり、大学入試科目での「英語」の勉強をしたりしているはず。だから、TOEICは、その学生時代の「英語」の延長としてとらえた方がいい。

 つまり、学生には「通関士」や「宅建」は職務経験がないので不利だから、受験や授業の延長である「英語スキル」、つまり、TOEIC対策を優先しておいたほうがいい。

 2.新人はあえてTOEIC回避

 では、入社して実務の浅い新人社員は、どうしたらいいか。

 もちろん実務経験で英語が必須ならば、TOEIC勉強を始めるのは悪くない。

 けれども、英語に関しては、残念ながらスタートダッシュが遅れている。

 英語に関しては、入社直後には、「帰国子女や留学経験者」といった英語マスター

には、まったくもって歯が立たないのである。

 草野球の愛好家がプロ野球選手に闘いを挑むようなものである。

 この時点で、英語に熱を上げるのは、止めておいたほうがいい。

 結論からいえば、英語は何歳からでも始められるのである。

 入社して数年間は、間違いなく「英語マスター」は、職場でチヤホヤさせる存在になる。そこで、いま、アナタの取るべき戦略は、彼らに対しての真っ向勝負を挑むのではなく、ゲリラ戦に持ち込むことである。

 人はだれでもチヤホヤされれば己の能力を過信するものである。

 英語が得意で「鳴り物入り」で入社した人は、英語については、さすがに重宝がられるが、そこにあぐらをかいて、自分磨きをしない人間を何人も見て来た。

 一方、英語に憧れているけれど、自分には、海外生活も留学経験も無いし、これまでも、英語からは距離を置いてきた人間は、英語マスターの振る舞いに「悔しい思い」をすることになる。実は、この悔しさが、後年、英語学習を継続する上でのモチベーションアップにつながるのである。

 英語マスターにとって、英語ビギナーは怖くない。

 なによりマスターたちが恐れるのは、自分たちには無いスキルの保持者である。

 やれ、これからはグローバルな視点が必要だのだと、英語はビジネスでのデフォルトなどと言って、会社でも「英語の学習」を急き立てられることだろう。

 だからこそ、英語に関しては、スタートダッシュを遅れていることを自覚しよう。

 英語は後回しにして、若くて頭の柔らかいウチに、不動産や金融業界に就職したら「宅建」、貿易業界に就職したら「宅建」や「貿易実務検定」 という、まずは自身の就職した関連のある資格を「先に」取得しておこう。

 私の場合、見るもの聞くものが初めての「貿易用語」や「輸出入手続き」であったが、通関士の勉強をしていたので、インプットとアウトプットのバランスが良かった。 

 通関士試験の問題集でわからないことは先輩から聞けばいいし、会社の資料やビジネスを通して、見識を広めればいい。

 問題集や教材を読んでもちんぷんかんぷんだったことが、実際の仕事を通じて、「ああ、これはこういうことなのか」とわかる瞬間がある。そうすると、記憶に深く刻まれることになり、資格対策に効果絶大である。

 私の場合は、貿易業界に入社し、1年目で通関士を獲得、そして、まだ学生(民法選考)の記憶が消えないうちに、宅建対策に手を伸ばす。

 貿易と不動産とは、まったく畑違いに思われるかもしれないが、そんなことはなかった。まず、通関士の試験科目である「通関業法」は、宅建の試験科目の「宅建業法」と、ほとんど同じであった。

 実務上も、たとえば、通関手続きおいても「時効の概念」とか「発信主義」とか、ビジネスを行う上では、民法知識は不可欠、イメージもしやすかった。

 また、保税倉庫(輸出入手続きに不可欠な倉庫)を立ち上げるプロジェクトにもかかわったが、その際、「建築基準法」やら「土地登記」といったことを目にして、宅建の勉強をしていた自分にとっては、実際にこうした仕事に関わり、宅建の学習効果に寄与することとは、まさに目からウロコであった。

 3.まとめ(振り向けばTOEIC

 英語マスターが周回遅れの同期たちを見下し、勝利に酔いしれている間、アナタは他のスキルで心の中で優位性を保とう。

 そして、彼らにギャフンといわせる機会を虎視眈々と狙おう。

 英語マスターが何よりも恐れているのは、通関士宅建スキルで武装したアナタが、いよいよ満を持して「TOEIC」に挑戦することにある。