うえけんのTOEIC劇場

いかにして40歳からのやり直し英語にハマったのか?

40歳からのTOEIC 20年の仕事経験を生かす

シニアの英語は富士山より箱根を愉しむ

40歳からのTOEICチャレンジは、それまでの社会人経験を生かしたい。

10代から英語漬けで過ごした奴らにはかなわない。

大切なのは、「英語ができる人」になるというより、「できる側の人になる」を目指した方がいい。TOEICでいえば、最低でも600点、できれば730点は欲しいところ。

 そのためには、

 ・TOEIC高得点は「無理ゲー」と悟る

 ・キャリア総括でゲリラ戦勝負

 ・TOEIC偏重ではなく愛情を育む

 ことが必要である。

 以下、こうした点を解説していく。

1.TOEIC満点や900点は「無理ゲー」

 20代で就職、40代になって英語の必要性を今さらながら痛感、ふんどしを締めなおして、40歳でTOEICレーニングを決意。

 やれ「35歳語学限界説」やら「40歳を過ぎたらTOEICはやめなさい」という忠告はどこ吹く風、いったい、40歳になって「やり直しTOEIC」をチャレンジしたら、人はどこまで成長できるか、壮大な実験を行っている。

 英語学習に関わるようになって、TOEIC高得点者と関わることになった。

 そこで見えてきたことがある。

 TOEIC満点や900点には、小手先のコツでどうにかなるものではない。

 人生をかけなければならない、ということである。

 つまり、高スコアになるためには、そもそも留学なり海外駐在なり英才教育なりというアドバンテージがある。

 だから、そもそも出発点が違うのだが、この手の人を目標にするのはいいかもしれないが、競ったところでしょうがない。

 別に「負け犬」でもなければ、「酸っぱいぶどうをあきらめるイソップ童話のキツネ」というわけではない。

 違いを認めることで、過度に比較はしないようにしよう。

 ただし、TOEIC高得点に「あぐら」を書いている輩(やから)には、ギャフンと言わせる必要がある。何も同レベルを目指す必要はないが、最低限の英語は、できるようにしておいた方がいい。(私が考える最低限とは、TOEIC換算で600点、700点台)

 高スコア者(謙虚さがない者に限る)の存在は、勉強のモチベーションになるので、「必要悪」と割り切ろう。

2.シニア・ベテランならではの英語

 40代、50代には、こうした人(高スコア者)には無いものがある。

 それは、それまで培われてきたベテランとしての経験である。

 人間の時間は平等である。

 そして、間違いなく、英語に優秀な人は、何かを犠牲にしていることがある。

 それは英語意外のスキルである。

 かつて、ハワイ出身で英語ができることを「売り」にしていたアイドルタレントがいた。彼女が、未だに英語の勉強をしていることに周囲が驚いた。

 「だって、みんなから英語ができる人と思われているから…」

 これが、その人の英語学習を続けている理由である。

 身もフタもないことをいえば、英語の頂点に立つ人は、英語しか能がないのである。

 幸いにして、中年になってから英語を始めた私には、英語以外の「あそび」があった。中堅やベテランの域に達している人は、英語学習に時間を割かなかった分、なにか、他のキャリアとかスキルとかがあるわずである。

 要するに、そうしたスキルと学習最中の英語との「掛け算」をして、正攻法ではなく、ゲリラ戦に持ち込もう。

 40代まで「英語をやってこなかった」ことは決して無駄ではない。

 英語ができる人は、むしろ私たちの「英語意外のキャリア」の存在に恐れているはずである。こうした点に揺さぶりをかけよう。

3.英語学習に愛情を…

 TOEICへのスタンスは、得点にこだわりつつ、それに縛られるな、ということ。

 英語の勉強について、TOEICがいいか、英検がいいか、聴かれることが多くある。

 TOEICにせよ、英検にせよ、英語を学びたいという欲求が出てきたことは素晴らしいことである。

 私の場合、英語資格のビギナーや遠ざかってる人には、英検を奨めているし、ある程度、英語のコツをつかんでいる人にはTOEICを紹介している。

 要するに、その人の適正や背景、英語の取り組み方を見定めてから、相談に乗るというスタンスである。

 (だから、英検3級レベルも怪しいという方には、TOEICはお勧めしない)

 しかるに、英語学習コーチでは、「社会人ならば評価されるのはTOEIC一択、英検なんて学生のやるものだが時間の無駄」というコメントを目にすることがある。

 これについては、異を唱えたい。

 自分の戒めを含めて、TOEICのスコア向上のみを目的とする人にはなってはいけない。

 TOEICを重視し、英検をこき下ろす人には、この視点がないように思われる。

 (逆に、英検重視者が、TOEICを否定する論調はあまり耳にしない…)

 TOEICか英検か迷っている人については、その心の奥にあるメッセージを耳を傾けたい。そこには、英語に対する前向きな姿勢があるはず。

 英検3級、準2級とものあると受験生は小中高生がほとんどである。

 いい大人が、こうした子供たちと一緒のテストを受けることもまた一考である。

 (自分の英語レベルがどの程度のものか、身に染みて分かるだけでも、英検はおススメである)

 TOEICにせよ、英検にせよ、英語に対する「ハートフル(愛情)を持っているか、否か、英語コーチを見極める上で大切なポイントである。

4.まとめ(英語学習を愉しむ)

 シニア世代には人生を愉しむ余裕がある。

 TOEICスコアの基準に追われる「焦り」とも無縁。

 これこそが学習にとっての強みである。

 40歳を過ぎてTOEICを挑戦してもいい。

 無理して頂点を目指す必要なない。

 英語のてっぺんをひたすら目指す「富士登山」ではなく、標高はそれほどでもなくても、登山だけではなく、温泉あり、湖ありの寄り道アイテムが豊富な「箱根登山」を目指していこう。