ジャゴーン(専門用語)からはじめよう
ビジネス英語を勉強したいけれども何から手をつけていいかわからない。
こういう人には、まず、身近な英語に親しむことをおススメする。
それは、業界で使われてている英語の頭文字(大抵は三文字)にその正式名称は何か徹底的にこたわることである。
これは、正式な意味をしることで、本来の言葉のもつ定義がクリアになるし、さらに、語い(ボキャブラリー)も増えてまさに一石二鳥である。
1. 三文字英語の世界
ビジネス業界で交わす言葉には「三文字英語」(略語)が必ずでてくる。
何気に口にする言葉でも、正式名称までわからない人が結構多い。
たとえば、金融業界において”TSE”という言葉は「東証」という意味であることは、広く知られている。しかし、”Tokyo Stock Excange”という正式名称であることは意外と知られていない。
金融には詳しくない人でも、この言葉をしることで、
”株=Stock”
”取引き=excahnge”
という言葉を学ぶことができる。
ニュースなどで三文字英語が出てきたら、スマホなので何の略なのか調べるクセをつけておくと、飛躍的に英語の語い力が高まる。
2.日本語でも意味不明
私が仕事して携わる貿易業界では、三文字英語の宝庫である。
だから、若手職員には「三文字英語が出てきたら、正式名称をスラっと言えるクセをつけとくと便利だよ」と教えている。
たとえば、輸出申告価格にはFOB、輸入申告価格にはCIFという契約取引で表示するのがルールとされている。
このFOBとは何なのか?CIFとは何なのか?
FOBとは、Free on board(本船渡価格)の略で、CIFとは、Cost Insurance Freightの略で「運賃保険料込価格」という意味である。
Board(船積み)、Insurance(保険)、Freight(運賃)、と、これだけで、主要な英単語が次々と覚えられるし、なんとなく、言葉の持つ意味のイメージがつかめやすくなるのである。
「顧客はAEOだからTPPのEPAを使え!」
もはや日本語の体をなしていない言葉である。
こんなことを言われたら、はじめは誰だってちんぷんかんぷん。
英語の頭文字がオンパレードの場合、むしろラッキーだと思って割り切って、ひとつひとつ暗号を解読するような楽しみで、正式名称を調べたほうがいい。
余談になるが、この手の意味不明な指示をする上司や先輩へギャフンといわせるためにも、仕事がわからないうちは、三文字英語の正式名称は自分の武器(アイテム)として控えておいたほうがいい。
3.企業名にこだわる
頭文字三文字といえば「企業名」もおなじみである。
NHKは、Nippon Hoso Kyokaiの略であることは意外と知られていない。
(これはもはや英語の勉強というよりは雑学の領域になるが…)
そういう意味では、企業名の意味は、商談での糸口になりえる。
NHKの例を持ち出すまでもなく、企業名の英語三文字が、英語の正式名称の略語であるばかりでないことに注意しなければならない。
川崎製鉄と日本鋼管が合併して「JFEスチール」という会社になった。
私の会社で、当時の営業所長が、
「JFEとは何の略なのか担当者に聞いてこい」
と指示されたことがある。
調べているうちに、どうもJFEというのは、正式名称の略語ではないことが判明した。つまり、日本を表す「J」と、鉄を表す「Fe」(化学記号)、これを組み合わせた「造語」であることが真相であった。
話は横道に逸れたが、ビジネス英語を志す社会人にとっては、まずは、自分の身近にあふれる「略語英語」の正式名にこだわってみてはいかがだろうか。
「英語を学ぶ」姿勢から「英語で学ぶ」という強かさを身につけてもらいたい。