ネガティブ感情を逆利用しよう
世の中には、勉強が嫌いな人がいる。
勉強好きに比べて、勉強嫌いの方が、むしろ人間として健全な感覚と言える。
勉強が嫌いだけれども、学校や会社で仕方なく勉強しなくてはいけない人。
でも大丈夫…。
「勉強嫌い」は、それだけでアドバンテージがある。
1.好きと嫌いの裏腹関係
あらゆる取組みは、好きが2割、嫌いが2割、残り6割はどうでもいい。
もしもアナタが勉強嫌いならば、「嫌いの2割」に分類される。
これは、いわゆる無関心層の6割よりも「伸びしろ」が高い。
なぜなら「嫌い」というのは、それだけでパワーがいることである。
なぜ勉強が嫌いなのか、そこを突き詰めて考えれば、嫌いから好きに転換できる。つまり、「嫌い」というパワーを、振り子のように「好き」に転嫁すればいい。
勉強嫌いとは、勉強に関心がある。
なぜ英語の勉強が嫌いなのか?
嫌いというのは、コンプレックスの表れ。
英語の勉強ができる奴がムカつくから?
そう思うなら、それこそチャンスである。
なぜなら、どうしたら「ムカつく奴」にギャフンと言わせることができるかを考えてみる。そしたら、自分が勉強して「奴」の鼻を明かせばいい。
英語の勉強ができるムカつく奴は、どこか自分の英語力に鼻にかけている人が多い。日本語になっているカタカナ読みをあえて「ネイティブっぽく」発音する。英字新聞や洋書などを読んで「キザな野郎だ」と思う。
概して、英語に秀でている人は、他のスキルには、脇が甘い節がある。
その昔、ハワイ出身で英語がぺラペラを売りとするアイドルタレントがいた。
なぜ、今さら英語の勉強を続けているのか不思議であった。(だって、英語ができるんでしょ?もう勉強なんてしなくていいではないか…?)
聞けば、「英語ができるアイドル」として、周りから頼られたり、英語に関係するお仕事が依頼されたりするので、その期待に応えるために、英語の勉強を続けているのだと言っていた。
私も、なぜ英語の勉強ができる人が「今さらながら」更に勉強を続けているのが不思議であった。でも、いま、その気持ちは痛いほどわかる。「英語ができる」というステイタスを死守したいからである。
アナタが英語の勉強嫌いのママでいるならば、残念ながら「ムカつく奴」のステイタスに加担している節がある。なにしろ、「ムカつく奴」は、勉強嫌いがいればいるほど、自分の地位に安堵して、「あぐら」をかいて、不遜な態度を改めないからである。
どうしたらいいか?
負け犬状態から這い上がるしかない。
たとえ「英語の達人」には、かなわないまでも、挑戦することに意義がある。
さらに「ムカつく奴」や「達人」がもっていない、アナタ自身の強みをスキルの掛け算にすれば、少なくても、英語オンリーよりも、より強固なスキルアップにつながるはずである。
2.英語好きに転じる実践例
では、英語嫌いな人が好きになるためには、具体的にどうしたらいいか?
やはり、王道で行くしかない。
「これを聴くだけで、あなたも〇〇日で英語がペラペラ」
そんな教材は、残念ながら意味がない。
英語の勉強は、地道である。
むしろ、時間がかかるからこそ、趣味として最適、くらいのスタンスを持っていたほうがいい。
英語の勉強というのは「即効性」が皆無。
洋画や洋楽で「楽しみながら英語を学習する」ということはどうだろう。
お気持ちはよくわかる。でも、これは「勉強の息抜き」程度にとどめておいたほうがいいだろう。
いくら英語にかかわるとは言え、たとえば「カラオケでビートルズの曲を歌った」とか、「マーベル映画を英語字幕版で見た」といっても、英語の勉強をしたということで満足はしないように…。
むしろ、音楽は映画は、勉強の箸休めとかスパイスという程度にとらえたほうがいい。英語の親しみを持つことは大切なことだ。
ビートルズでもマーベル映画でも「英語に親しむ」ということは大いに意味がある。
それで「英語」に対する毛嫌いが和らぐのなら、こうしたジャンル素材を利用しない手はない。でも、TOEICや英検対策としては、物足りなさがある。
では、どうしたらいいか…?
3.エンタメとしての勉強
英語資格がすべてではない。
しかし英語の勉強をするからには、TOEICや英検といった資格を利用しよう。
おそらく英語勉強が嫌いなアナタには、学校や職場で、「TOEIC××点以上」とか、「英検×級」とか、いわゆる「ノルマ」を課されているかもしれない。
人間、だれもが、やりたくないことを「強制」させらるのは嫌なこと。
実は、私の20代、30代の英語の距離の置き方の失敗は、英語資格と距離を置いていたことにあった。でも、これは、英語ができないという自分を直視したくない「負け犬発想」であった。
40代になり、やはり英語の必要性を痛感。
まずは、英語ができる人の目安になるTOEIC730点を目標に据えた。
何度かTOEICにチャレンジするにつれ、TOEICの受験自体にエンタメ要素があることがわかった。
たとえば、TOEIC当日、SNS界隈の英語垢(英語アカウント者)は、「お祭り状態」になる。ぜひ、あなたも「英語垢」を立ち上げて、イベントに参加しよう。
テスト内容も、「悪天候で飛行機が飛ばなくなったのでお詫びに食事の割引クーポンを渡される」とか、「コピー機が紙詰まりになったので修理工を呼べ」といった、TOEICあるあるのオンパレード。
ナレーターの米国、英国、カナダ、豪州の「クセの違い」を聴き比べを愉しむ。
学習者にとってTOEICは最高の娯楽である。
そんな「悟り」を開いてもらいたい。
4.まとめ(勉強嫌いの伸びしろ)
以上のように、勉強嫌いだからこそ、勉強好きになる秘訣がある。
・嫌いな原因を突き止め逆襲に転じる
・勉強こそが最良のエンタメと悟る
こうして、勉強嫌いを克服していこう。
嫌いだからこそ動機づけが保ちやすい。
英語嫌い、勉強嫌いのアナタだからこそ、やれることがあるはずだ。