TOEICの結果がすべてではない
「長い人生、今回のTOEIC試験の結果だけがすべてではない」
ツイッターのTOEIC垢(アカウント)を見ると、満点や900点以上の方が多くて気が滅入る。でも安心してください。私の感触では、ツイッター界隈のTOEIC情報は、世間のソレよりもぐっと高い。
1.TOEIC試験に備えて
かれこれ10年近くTOEICに挑戦してきた。
40歳で430点から、50歳代で760点に到達。
でも、そこから先が伸びない。
一応、目標は800点にしている。900点以上はとても無理だと悟っている。
志が低いかもしれない。それでも、TOEICが不思議なのは、600点台の壁を越えたあたりから、職場の人たちからか、ポツポツと「英語ができる人」と認知されはじめた。
裏を返すと、600点というのが、ひとつの到達点とされる。
ビギナーのTOEIC挑戦者は、気負いせず、まずは600点を目指してもらいたい。
TOEICは、時間の戦い。そして解答へのテクニックや慣れも存在する。
幸い、TOEICは、毎月のように実施しているので、今回の試験が不本意な結果に終わっても、また時間がんばればいいと思う。
2.TOEICがすべてではない
別に負け惜しみを言うわけではないが、TOEICが高得点者だからといって、その人が神様でもなければ、万能の天才というわけではない。
「TOEIC高得点でも満足に英会話が話せない人たちがいる」
そんな、TOEIC批判者の意見に同調するわけではない。
けれども、人には、TOEIC得点者が持っていない強みが必ずあるはずである。
実際、TOEIC950点の同僚がいる職場で働いたことがある。
この人は、経験が浅い若手であった。
英語こそ「水を得た魚」ではあったものの、なぜか普通自動車免許を持っていなかった。その職場は、公共交通機関のアクセスが悪く、訪問客への送迎は、もっぱら社用車を利用した。
当然、免許を持っていないと、英語云々以前に、仕事にならないのである。
自動車免許の必要性を訴えたところで、その人は耳を貸さなかった。
もちろんTOEICより運転免許が優れているとか、そんな話ではない。
何がいいたいかと言えば、「TOEIC950点のオンリーワン」より「TOEIC600点と自動車免許掛け算」の社員の方が、仕事の貢献度が高かった事実を目の当たりにした。
てっぺんを目指すよりも、横テン(マルチタスク)を目指した方がいいということを実感した。つまり、TOEICの高得点だけがすべてではない、工夫次第では、TOEICの点数はそこそこにして、スキルの掛け算を狙ったほうが良い場合がある。
3.ロケットか?飛行機か?
TOEIC900点以上のハイレベルをロケットにたとえるならば、TOEIC600点前後は飛行機と言える。
ロケットは、凄いけれども、凄いだけに汎用性が無い。
TOEIC学習者は、自分が、ロケット(高得点)を目指すのか、飛行機(そこそこレベル)を目指すのは、はっきりさせておいたほうがいい。
そして、自分のTOEICのゴールをイメージして、そこから逆算して、学習計画を練り直したほうがいい。
ただし、私の経験からすれば、ロケット型はあまりおススメしない。
40の手習いで10年間、TOEICの学習をやってきたが、無理なものは無理である。ロケットスタートをしてきた帰国子女や留学経験者にはかなわない。これは負け惜しみでも何でもない。環境の違いである。
ただし、環境の違いこそ、逆に強みになる。ロケットスタートに成功した人にだって、欠けているモノがあるはず....。
何かを選ぶことは、何かを捨てること。
TOEICの高得点の道を選んだ人間は、(たとえば自動車運転免許を持っていないように)何かを選ばなかった人たちだからである。
TOEICは、高得点を目指さなくていい。
最低でも600点、できれば730点をとれれば御の字である。
いや、600点突破だって、大変な苦労を強いるもの…。
決して甘くないことと肝に銘じて欲しい。
ただし、40代、50代のミドル世代でも、きちんと対策をとり、勉強の習慣を身に付ければ730点は夢ではない。
4.まとめ(TOEICの目標設定)
平日に市販教材、休日に問題集をやれば、独学でも達成は可能である。
続けるコツは、少しずつでもいいから、毎日やること。
(休日にまとめてやろうとすると、志が高い分だけ、挫折に陥りやすい)
目標も、ビギナーが、いきなり「満点」とか「900点台」といった高得点を据えるのではなく、自分の身の丈に合ったスコアを設定したい。
現実的には、現在のレベルに100点を加算したものを目標値としよう。
(そのためには、現在のレベルを知る必要になる。それには、本番試験の「試し受験」をするのが、もっとも手っ取り早い)
TOEICの勉強は嫌だとしても、現状の「数値」を知るために、とに角、本番試験を受けてみよう。
実際、本番の試験日には、なぜか受験料を払っても、試験に現れらない輩がいることを知るだろう。少なくても、試験に挑戦する第一歩を踏んだアナタこそ、ゴールへ向けてのチャレンジがスタートしたのだ。
頑張り過ぎず、気長に取り組んでいこう。