英字新聞は身銭を切ろう
中級レベルの英語学習者にとって、英字新聞の活用をおすすめしたい。
ここでいう中級レベルとは、TOEICスコアで600点から730点を目指す人のことをいう。730点の壁を超えるには、ぜひ、紙の英字新聞の購読してほしい。
英字新聞を生かす英語勉強法として、新聞社サイトにアクセスして、無料で記事を読む、ということを目にすることがある。しかし、タダほど高いものはない。
やはり、人間は所詮、ケチなのだから、身銭を切ることによって、モトを取ろうとする動機付けが生まれ、結局、購入額以上の対価を得ることができる。
ここでいう英字新聞とは、ジャパンタイムズとかジャパンニュースといった、日本の新聞社が作成している英字新聞のこと。
購入金額といっても、一日単位で、たった200円前後。
でも、人間は不思議なもので、無料となると、結局、ありがたみがなく、逆に自腹を切って英字新聞を購入すると、少しでも読んでやろう、という気になるから不思議なものだ。
いまでは、パソコンやタブレットといった電子版もすすめている方が多いが、私はもっぱら、「こんな時代だからこそ」紙の新聞にこだわりたい。
紙の新聞のメリットは、「折りたためてどこでも運べる」「広げて、世の中を記事を俯瞰して読める」「鉛筆やペンでしるしをつけながら読むことで記事の理解が深まる」
といったことがあげられる。
まず、「折りたためてどこでも運べる」ということで、家にいても勤務先でも、肌身離さず英字新聞を近くに置いておくことで、ちょっとした空き時間、細切れ時間などで、さっと取り出し、場所を選ばず、英語学習モードに切り替えることができる。
つぎに、「広げて世の中を俯瞰して読める」とは、ネットニュースの小見出しとは違い、新聞社が決めたレイアウトにより、ニュース価値の大きさを知ることができ、日本や世界の動きが理解しやすい。また、全体のニュースを紙媒体で理解することで、自分の関心のある記事を見落とすことがない。
たとえば、私なら、仕事では貿易関係の記事が必要。(2年前までは、鉄鋼関係の動向、最近では中古車市況など、その時の置かれた職責によって、必要とする記事が異なり、紙の新聞をさっと読むことで、必要な記事を見つけ出すことができる。)
また、仕事のみならず、趣味でも、海外スポーツ、音楽、鉄道記事など、その時の優先度によって、記事を深堀りしたり、ハサミで切り取って、とりあえずスクラップとして保管しておくことができる。
三番目のメリットは、鉛筆やペンでしるしをつけることができること。
これにより、たとえば、難しい社説や事件の背景、外せない時事単語などをペンで囲んだり、キーワードに下線を引いたりして、英文記事を立体的に理解することがある。
以上のとおり、身銭を切った紙の英字新聞だからこそ、自分に合った利用法がある。
中級学習者にとって、英字新聞の毎日の購読は必須である。