ビジネス英語はチャートにこだわろう
英字新聞では、見出しと写真とチャートの三つがキーポイントである。
特に、ワタシが、ジャパン・タイムズよりも、読売系のジャパン・ニュースを学習者に推す理由のひとつは、同紙の「チャート」が優れているからである。
ビジネスの世界では、文書が基本である。
ただし、また、わかりやすさと時間の速さも、良い成果を上げる秘訣である。
ワタシが、かつて所属していた国際分析室では、海外のカウンターパートとの情報照会に際しては、まず、日本語で書かれた文書で、室長の決裁を受けなければならない。
室長が了承した日本語の文書を、今度は、海外向けに英語翻訳する作業がある。
つまり、日本語で起案、室長決裁完了、改めて英語に翻訳、というプロセスを経るので、とても時間がかかるのだ。
そんなとき、もう、日本語で作成する文書の段階から、内容を一枚紙でまとめたチャートを用意していた。
チャートには、日英両文併記となっている。これは、文書をいちいち英語に翻訳をするのが面倒でもあり、また、ビジネス照会内容を一目でわかる、という効果もある。
そんなわけで、ビジネスマンにとっては、パソコンソフトは、エクセルが主流であるが、ワタシは、文書でワード、チャート作成で、パワーポイントを使っていた。
(蛇足ながら、この時の経験で、今でもエクセルは苦手意識を持っている)
わかりやすいチャートとは、あまり、あれこれと情報を埋め込み過ぎないこと。
なにしろ、ビジネスは時間との闘いである。凝るのはチャートそのものでなく、日本語と英語を、どう関係性を持って、内容を簡潔に理解できるかにかかっている。
チャートに時間を割くことは、本末転倒なのである。
では、どうしたら、同僚や上司、または、カウンターパートをうならせるチャートを作ることができるのか。
そんなとき、大きなヒントとなるのは、英字新聞の図表である。
特に新聞で使われるチャートは、事件や事実を時間軸でまとめている「時系列型」と、登場人物や手続きの仕組みをまとめた「相関図型」に大別できる。
そして、日英併記で作成するチャートは、「時系列型」と「相関図型」を一枚のぺーーパーに同時に埋め込むのがコツである。
具体的な作り方としては、まず先に、「相関図」から取りかかり、大きな余白を設けて、そこに「時系列表」を埋め込んでいくのがおすすめである。
いきなりパソコン上から作成するのもいいが、特に、相関図系は、不要コピー用紙の裏面を再利用するなどして、ラフなスケッチを作ってから、パワーポイントにとりかかると、関係者をうならせるチャートが出来上がる。
とりあえず、英語力に引け目を感じている人は、なんとか得意分野をみつけて、それを強みとして利用していくのがいい。
稚拙な英語力を、チャート作成技術でカバーしてみよう。