英語学習にとって英字新聞は味方です
社会人のやり直し英語にとって、英字新聞ほど有益な教材は無い。
TOEIC700点以上を目指すのであれば、ぜひ、英字新聞を活用して欲しい。
残念なことに、
「英字新聞は、TOEICの勉強に百害あって一利無し」とか、
「英字新聞を読む暇があったら、TOEICに特化した勉強をしろ」
という意見も良く耳にする。
しかし、社会人、特に中高年のやり直し英語学習者にとっては、英字新聞を活用した勉強を自分なりに見つけて、毎日の英語学習の習慣化、継続化を確立してもらいたい。
英字新聞は難しすぎてTOEICに不向きという誤解
まず、英字新聞は難しすぎて、TOEIC勉強には何の足しにはならない、という誤解について私見を述べてみよう。
日本に手に入る英字新聞は、
「海外の新聞」
「日本の新聞社が作る英字新聞」
のふたつに大別できる。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」とか「ファイナンシャル・タイムズ」が前者で、「ジャパン・ニュース」と「ジャパン・タイムズ」が後者。
英字新聞が(日本人の我々にとって)難しいというのは、前者、つまり、海外で作られる英語の新聞を読んでいるからそう感じるのである。
日本の新聞社による英字新聞は、日本で取り上げるニュースや話題を英語で掲載されているので、そもそも記事の内容がおおよそ見当がつき、記事が読みやすいという利点がある。
個人的には、日本語の「読売新聞」で、日本語本来の記事が後追いできる「ジャパン・ニュース」をおすすめしたい。
特に、同紙の社説は、英日表記されているので、これを音読するだけでも、毎日、配達される新聞の「モト」を取ったものと自分に言い聞かせる。
英字新聞はTOEICとは関係ないという誤解
TOEICのトレーニングでは、特にPart7の長文読解に際しては、英語に親しむべく、精読、多読が必要不可欠である。
そんな練習のためにも、毎朝、自宅に届けられる英字新聞は、うってつけの練習教材である。
社説でも、一面記事でも、スポーツでもいい。ひとつの記事をピックアップして、最初から最後まで読み切るクセをつけてみよう。
TOEICのPart7では、新聞記事の形式の出題も多く出されている。限られた時間の中で、辞書を使わず、新聞記事を読み切ることは、練習として最適である。
私は、英字新聞を勉強に取り入れたことで、多くの英文が出されるPart7の圧倒的な物量にも、物怖じしなくなった。もちろん、700点を超えたとは言え、まだまだ、高得点者とは言えない。
それでも、英字新聞を購読するようになってからは、制限時間内に最後まで、読み切ることができるようになった。
精読、多読の一考として、英字新聞を活用してみてはいかがであろうか。
何のために英語を勉強しているのか
それでもなお、英字新聞を使ってのTOEIC学習に否定的な考えを持つ方に、これだけはいいたい。
では、一体、なんのために、TOEICの勉強をしているのか、ということを。
就職、収入アップ、英語能力のチェック、さらには海外赴任への登竜門として。
TOEICを受験する理由は、人それぞれであろう。
新聞を読み、世の中を知ることは、社会人にとっての「たしなみ」である。
だから、新聞は、空気や水や食料のようなもので、ビジネスマンにとっては、必要不可欠なツールであると考えている。
その新聞を、英語で読めるようになったら、なんて素晴らしいことだと思う。
新聞に限らず、ネットでもそうだが、英文で書かれた情報を、辞書無しで読めることになれば、こんなに素晴らしいことはない。
「英字新聞を読むことは、TOEICの勉強する者にとって無駄な時間だ」
というのは、私にとっては、その意味が良くわからない。
英字新聞を読むことは、洋書や洋画、洋画を愉しむことと同じように、英語を継続する上でのまたとないモチベーションになる。
ただし、英字新聞は、TOEIC出題傾向に直結しているので、これを利用しない手はないと思うのだ。
もちろん、TOEICの受験のために、英字新聞をわざわざ購読するのは、いかがなものかと思うところがある。
けれども、それくらいの「意気込み」は必要なのではないだろうか。
なぜなら、英語の勉強とは一生続くものであるから…。