失敗から学ぶシニア向けTOEIC対策
どうしたら先輩のように英語の勉強を継続できるのですか?
若い人たちから、こう聞かれることが多くなった。
コロナ禍になり、将来への不安があるのだろう。
英語のスキル向上が、私のいる会社でも、にわかに注目されつつある。
私は、これまでずっと英語の勉強を続けてきたわけではない。
むしろ、挫折とやり直しの繰り返しである。
しかし、50歳になって、英語の勉強の習慣化が確立されつつある。
それも、過去に2回の挫折を経て、そこから学んだことにある。
1.30歳・英検2級で慢心が生まれた
英語キャリアについては、後発組である。
入社してまず、全社員にTOEICの実施が義務付けられ、そこで「ふるい」にかけられることになる。
その時に受けたスコアは残っていないだが、なにしろ散々な結果だったことだけは覚えている。
まずもって、問題するところの意図が、写真問題以外はわからなかった。
自分には英語とは関係もないと思っていたので、不甲斐ない結果についても、悔しいとさえ思わなかった。
最初の挫折といえばそれまでだが、それほど深刻には考えていない。
転機となったのは、入社8年目の30歳になったときである。
この時、英語ができる職員に対して、嫉妬らしい感情がはじめて生まれた。
そこで、一発奮起、英語の上達には資格試験の挑戦しかないと思い、英検準2級、英検2級と受けた。そこで合格。
TOEICはたしか430点だった。
TOEICの点数は良くなかったものの、英検2級という一応の目標を達成したことにより、英語の勉強をそこで卒業した。
慢心が生まれたのも事実であった。
しかし、英語というのは継続しないとすぐにさびていく能力であった。
2.国際部門に配属されて2度目の挫折
英検2級を取得して、満を持して社内の国際部門に配属されたのが35歳の時。
この時、外国との英語のやり取りで、自分の非力な英語力を知り自信喪失。
精神を害する兆候が見られてきたのもこのころから。
とにかく、仕事や英語が、嫌で嫌で仕方がなかった。
英語ができるようになれば、「バラ色」な生活が送れるというイメージがもろくも崩れ、ひたすら苦行のような日々が続いた。
「英語なんてできるようになっても、何の得にもならない」
ここで、2度目の英語への決別を行った。
3.大病して三たび英語へのチャレンジ
それからも体調がすぐれず、40歳のときに通勤途中に倒れ、入院生活に。
この時、自分の会社人間としての人生は終わったと思った。
退院して、数年間は閑職がつづいた。
でも、なぜか、このままではいけないと思った。
そこで、自分には何ができるかと思い、人生で三度目の「やり直し英語」をスタートさせた。
高校時代の恩師を訪ねたのもこの頃、かつての英語のマドンナ先生は、その後、キャリアアップをして、大学の准教授になられていた。
この先生が編集に携わっていた本が、「マーフィーのケンブリッジ英文法」の日本語版。先生からこの本を記念にいただき、英文法の基礎をやり直し。
結局、この一冊が人生を変える転機となった。
TOEICのスコアアップを勉強の軸に据えていたので、最初は600点、そして、最終的には730点突破を目指し、計画的で無理のない勉強を心掛けた。
夜の勉強では誘惑が多いので、朝型に切り替えた。
毎日、英語の勉強に触れられるように、NHKラジオ・ビジネス英語や英字新聞に手を出したのもこの頃から。
やがて、TOEICのスコアに本格的にこだわりたいと思ったので、社内で斡旋している、アルク通信講座に切り替え、朝の勉強ルーティンを習慣づけ。
そして、48歳にして、目標としていたTOEIC730点突破した。
4.最後に……
自分の英語勉強の遍歴は順風満帆ではなかった。
しかし、挫折があったからこそ、こうして今、勉強の重要性に気づいている。
次なるTOEICの目標として800点超えを目指している。
自分の経験が誰かの役に立つことになるとしたら、こんなに嬉しいことはない。