うえけんのTOEIC劇場

いかにして40歳からのやり直し英語にハマったのか?

英検はビートルズ、TOEICはローリング・ストーンズ

 英検とTOEIC、どちらを選ぶべきか?

 おとなの「やり直し英語」については、英語資格を主軸に据えた方がいい。

 英検でもTOEICでも、自分に興味を持った方を選ぶのが一番。

 「学生なら英検、社会人ならTOEIC」という区分けも耳にするものの、どちらも挑戦してきた私から言わせれば、そう単純に割り切るものではない。

 どちらを選ぶか迷っている方には、次の整理をしてみよう。 

 ・英語が全くできない人は「英検」

 ・英語ができる方だと思う人は「TOEIC

 とおおまかな分類ができる。

1.スタンダードな「英検」

 正直言って、英検3級はもっていないと、TOEIC試験は厳しいように思われる。

 「いい大人が今さら英検なんて…」

 そう思うのなら、TOEICを始めればいい。

 強引なたとえであるが、英検かTOEICか二者択一のアプローチは、ロックでいうとこころの「ビートルズ」か「ローリング・ストーンズ」かの選択肢に似ている。

 洋楽ロックの初心者には、やはり「ビートルズ」から聴いてもらいたい。

 ビートルズストーンズよりも凄いとか、そういうことが言いたいわけでない。

 ただし、洋楽ロックの免疫のない人にとって、ビートルズはとっつきやすいけれども、ストーンズは、ややマニアックの感がする。

 これは日本人の英語学習者にとって「英検」か「TOEIC」かの位置づけににている。

 まずは、英語資格は「英検」を、洋楽ロックは「ビートルズ」をおススメしたい。

 言えることは、どちらも「敷居」が低いことである。

 英検は、義務教育を終えた人人なら「3級」にチャレンジできる。

ビートルスには「イエスタディ」や「ヘイ・ジュード」といった誰しもが知っているヒット曲があるので、年代を問わず、ロック入門者としては最適である。

 TOEICを受けるためのステップとして、まずは義務教育を終える程度のスキルは身に付けておきたい。

 英検は(大人からみれば)3級から1級まで、カチッとしたフェーズがわかれているので、まるで「大河ドラマ」のごとく、低層からのチャレンジができる。

 ビートルズも、1960年代という「活動期間枠」で、デビュー曲の「ラヴ・ミー・ドゥ」から、解散のラスト曲「レット・イット・ビー」まで、共に彼らの音楽と成長することができるし、これは、英検の昇級ステップに似ている。

 英検は、想定する「級ごと」にチャレンジするので、失敗をする確率が少ない。

 これは、ビートルズの楽曲に「ハズレ」が少ないことに似ている。

 英語学習のビギナーならTOEICよりも英検のほうが良いという理由がここにある。

 2.マニアックなTOEIC

 だからといって「英検」が「TOEIC」よりも優れている、と、そういう単純な構図ではない。

 ただし、英検に比べて、TOEICは若干、マニアックな部分があるので、高得点を挙げるには、英語の総合力というよりは、テクニックみたいなものが必要である。

 TOEICストーンズであるというのは、初心者には、やや不利なテストであるからである。ストーンズには、「サティスファクション」とか「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」というメガトンのヒット曲があるが、「誰もが知っている」という点は、どうだろう。ストーンズの魅力は、ビートルズには無い「長いバンドキャリア」である。

 しかも、ダラダラと長くやっていればいいのではなく、きちんとキャリアを総括するメリハリがある。

 TOEIC試験は、ビギナーから上級者まで「同じテスト」を受けて、スコアが採点される。物語が完結するイメージは難しい。(もちろん満点獲得というゴールがあるが、英語学習者にとっては、とてつもない到着地である)

 正直にいえば、英語の基礎力がついてないうちからTOEICを受けてみて、「低スコア」に嫌気をさして、英語の勉強をあきらめてしまうリスクが高い。

 これは、ビートルズストーンズの関係にも言えるかもしれない。

 ビートルズのアルバム、たとえば「ラバー・ソウル」にせよ、「アビイ・ロード」にせよ、ロックの楽しみ方を知らない人にとっても、耳障りは悪くないのかもしれない。

 一方、ストーンズのアルバム、たとえば「ベガーズ・バンケット」とか「メインストリートのならず者」とか、確かに大傑作ではあるけれども、ロックのビギナーにとっては、好みが分れるかもしれない。

 繰り返すが、これは、ビートルズストーンズより優れている、とか、そういう話ではない。

 英検とTOEICの二刀流を挑戦している私が、ビートルズストーンズの両方のファンであることから、なんとなく英語学習者にどちらの資格試験が良いか選ぶためには、人それぞれの「カスタマイズ」が必要だと思うのである。

 3.まとめ(結局どっち?)

 英検とTOEIC、どちらの試験にチャレンジするかの議論は、ビートルズローリング・ストーンズか、どちらのグループを好きになったらいいか、という話に似ている。

 スタンダードな英検に対してマニアックなTOEICという構図が、両方の資格試験をチャレンジしている私から言える答えである。

 もちろん、問題集や出題傾向、参考書などをパラパラと見て、自分にとって、シックリ来る方がいい。

 他人にとやかく言われるよりも自分が決めた方が学習は長続きするからである。

 大切なのは、せっかく英語の勉強を決意したのなら、英検にせよ、TOEICにせよ、途中で挫折するのはもったいない。

 末永く英語の勉強にかかわる仕組みが大切である。

 勉強ばかりではなく、たまには息抜きに洋楽ロックでも聞いたほうがいい。 

 ビートルズでもローリング・ストーンズでも…。

 大切なのは、自分が納得して決めることである。