英検3級からはじめよう
英語ができるようになりたい。
おおよそのビジネスマンであればだれもが思うことである。
仕事柄、私の元にも「どうしたら英語ができるようになるのか」と聞かれる。
今時の社会人は、たいていTOEICをやりたいと言っている。
しかし、個人差があるにせよ、私は英検の受験を勧めている。
初級者、入門者に関しては、英検3級をおススメしている。
中学英語すらおぼつかいないのであれば、やれTOEICだのオンライン英会話だのディベートだののと浮ついたところをいっても、効果はない。
英語学習者にとっては、背伸びは大事であるが、一方、自分の身の丈を知ることが大切である。
特に「英検3級」は、中学英語がしっかりできているのか否かの見極めになる。
今さら英検なんて…。
そう思う人には、英語から距離を置いた方がいい。
英語の達人は、皆、影で努力をしている。
英検3級に合格し、次は準2級を目指し、目標を2級合格とする。
英検2級になれば、TOEICスコアも600点くらいになるので、そこからはじめてTOEICに転向した方がいい。
TOEICも初級者、入門者が受けても「幻滅」するだけである。
なぜなら、TOEICは、初級者も超上級者も「同じテスト」でスコアを図る。
だから、いきなりTOEICにチャレンジしたところで、「やっぱり私には英語は無理」なんて思えてしまう。
せっかく英語をやる気になったのにもかかわらず、TOEICの熱量に負けて、挫折してしまう人が多い。
何度も言うが、TOEICテストに歯が立たないは、中学生レベルの英語力がおぼつかない。
だから、英検3級にチャレンジしてみよう。
ここで不合格なら、中学レベルの英語が身に付いていない証拠である。
だから、まずは受験レベルの見合う英検にチャレンジすることをおススメする。
学習者のレベルによって、雑魚キャラを相手にする段階なのか、ボスキャラを退治する段階にあるのか、試験で見定めてみよう。
1.まずは単熟語力
英検3級への合格の道のりは、なんといっても単語力である。
私の場合、任天堂DSゲームの「DS-TOEIC」(マスタリー2000)に挑戦して、楽しみながら単語力を上げてきた。
DSというゲーム機を使い、「勉強ではなく遊びなのだ」という自分をダマすことによって、苦行である英語ボキャブラリーの向上に努めた。
ただし、英検3級を目指す方にとっては、マスタリー2000は手を出すのが早い。
やはり、英検の語彙対策には、王道といえる旺文社の「英検3級・でる順パス単」を活用してもらいたい。
同書を肌身離さず持参して、スキマ時間があるときには、パラパラと読んでみよう。
すでにわかる単語はレチェックして、わからない単語を潰していこう。
英検3級レベルの単熟語を知らないと、どっちみちこれからの長い英語学習人生において、お話にならないのである。
苦しいかもしれないが、「単語・熟語」を覚えることは英語学習者にとっての基本。
ただし、どうしても本を読んでいるだけでは、覚えらないという人には、「出る順パス単」の副教材である「書き覚えノート」というのがある。
これを活用してみてはどうだろう。
私も語句は、「書いて覚える派」である。
今は、英検準1級の勉強をしているが、「書き覚えノート」を使って、自分がまだ覚えきれていない単熟語を洗い出し、「出る順パス単」にチェックをして、弱点の補強をしている最中である。
いずれ英検準1級に合格し、1級へチャレンジすることにようになっても、「出る順パス単」と「書き覚えノート」はセットで学習しようと思っている。
単語が苦手という人もいるが、キャッチボールが苦手な人は、野球の試合ができないと同じで、まずは、英語を上手になりたいと思うのなら、地道な「ボキャブラリーを増やす」の勉強をしてみよう。
2.次に英文法対策
単熟語と共に、英語ビギナーにとって、避けて通れないのは「英文法」。
とくに大人になると、英文法不要論に固執する人が多く見かける。
「だってネイティブスピーカーは、文法なんて意識していないだろ…」
それはそうかもしれない。
私たち日本人も日本語を話すとき、いちいち文法を意識しいてるわけではない。
でも、悲しいかな、我々は、英語を母国語としているわけではない。
大人になって英語をやるときめたら、英文法を利用することは効率がよい。
特に、初歩的な文法は、理屈ではくルールなのである。
だからルールを覚えてしまう。
なぜ、I am、You are、He/She Is、なのかというのは理屈ではない。
ルールなのだ。
野球にたとえるなら、なぜ3ストライクで1アウトなのか?
それは、そういう決まりだから…。
だから初級者の段階では、ルールをルールとして覚えてしまおう。
英文法を学ぶおススメの教材は、「マーフィーの英文法・初級編」一択である。
これは、1ページづつ見開きで、右側に解説、左側に応用問題がある。
英語を学びたい希望がある人には、私は、ことあるごとに「マーフィーの英文法」をおススメしている。
能力に個人差があるので、レベルによって「初級編」と「中級編」に違いがあるものの、おおむね好評である。
自分自身も、TOEICや英検とは直結しないと思われる「マーフィーの英文法シリーズ」をやり遂げたことで、英文法のチカラが身についた。
「急がば廻れ」ではないが、英文法は、英単熟語と共に、これからずっと英語の勉強を続ける者にとっては、外すことはできない基礎トレーニングである。
3.最後に(試験を受けよう)
そして最後に、英検3級を合格するために一番大事なこと。
それは、試験を受けること。
やはり英検3級の受験生は小中学生が多い。
いい歳をした大人がこうした子供たちと一緒に試験を受ける。
これがなりより心理的抑圧になる。
英検3級試験に落ちることがみっともないので、最初から試験を受けない人がいる。
でも、よく考えてもらいたい。
英検3級に落ちることよりも、英検3級レベルすら達成していないのに、英語ができるようになりたいと考える方がおこがましいのではないか?
恥を忍んで、英検3級を受ける。
これが合格への第一歩である。
資格試験に批判的な声が多い。
けれども、やはり私は英語の勉強を楽しみたいと思うなら英検受験を勧める。
野球の試合のことを、英語では”GAME”という。
そこには、日頃の練習成果を発揮する「わくわく感」があるはずだ。
英語学習者にとっても、試験を受けることでゲーム感覚を味わい、結果に一喜一憂する「わくわく感」を持ってもらいたい。
それが英語上達へのパスポートである。