うえけんのTOEIC劇場

いかにして40歳からのやり直し英語にハマったのか?

もしもTOEICの勉強が嫌になったら…

 たったひとつの「劇薬」

 TOEICの勉強が嫌になる。

 公式問題集も「解答」を暗記している。

 金のフレーズも何度やっても覚えられない単語がある。

 文法問題でる1000問も何巡もやった。

 それでも800点の壁を越えられない。

 700点台をうろちょろ…。

 日々の学習もマンネリ気味。

 まさに今、私の置かれている状況である。

 そんな「TOEICの壁」にぶち当たってる人への良薬はただひとつ。

 それは英検準1級にチャレンジすること。

 1.社会人こそ英検を

 学生でもあるまいし、今さら英検もないだろう…。

 そう思う人も多いかもしれない。

 しかし、英検準1級ともなれば、大人の受験生が多い。

 会場の年齢層もTOEICとさして変わらない。

 英検は学生向けというのは誤解である。

 TOEICに手詰まりを感じているのなら、ぜひ目先を変えてもらいたい。

 せっかくTOEICの勉強を続けているので、ここでの挫折はもったいない。

 いったんTOEICを離れて英検にチャレンジしてみてはどうだろうか。

 そこで、英語資格試験に対して「複眼」を持つことができる。

 英検を受験することで、TOEICに復帰した場合の相乗効果は抜群である。

 これは私の体験から言えることだが、TOEIC対策ばかりやっても芸がないので、娘の英検挑戦を期に、自分でも英検を受けてみた。

 そしたら「目からウロコ」というか、英語に対する前向きな気持ちになった。

 英検準1級対策をメインに据えて、もちろんTOEIC試験も受けた。

 英検は不合格だったが、TOEICは自己ベストを達成した。

 ただし、「英検不合格」は不名誉なことなので、現在、リベンジに燃えている。

 TOEICという本流に対し、英検という寄り道は決して無駄ではなかった。

 2.英検でリフレッシュ

 TOEIC受験者に英検をすすめたい。

 それは、2つのテストが「つかず離れず」という関係にある。

 TOEICをやり込んでいる人が英検に軸足を移行した場合、戸惑うことは三つ。

 ・圧倒的な語彙不足

 ・広範囲にわたる読解知識

 ・筆がすすまない英作文

 これは、TOEIC対策ばかりやっていた人の英語のウィークポイントとなる。

 結局、英語全般に対しての土台がしっかりしていないから、TOEIC本番で、初めてチャレンジする出題に対処できない。

 TOEIC公式問題集ばかりやっていて高得点をたたき出しても、本番試験では、意外と低いスコアに沈むのは、こういったところに原因がある。

 まずもって「語彙力」が不足している。

 TOEICの「金フレ」だけでなく、英検準1級の「でる順パス単」をすすめたい。

 「でる順パス単」の場合、すでにわかっている単熟語と、これから覚えるべき単熟語の区別が必要になってくる。

 (すでに理解ができている語彙に時間を割くもは、得策ではない)

 そこで、簡単にチェックする方法として、「でる順パス単」の別冊である、「書き覚えノート」をやることを勧めたい。

 この「書き覚え」で、次頁のチェック問題で「不正解」だった語彙は、まだ、覚えていない単度である。それを「出る順パス単」にチェックをし、スキマ時間などを活用して頭に叩き込むことである。

 次に読解問題。

 ビジネスシーンに特化したTOEICに比べ、英検は、人文、歴史、科学、テクノロジーと多岐にわたる。ここが、TOEIC慣れしている人にとっては、厄介なものである。

 でもそうしたマイナス面は、考えようによっては「伸びしろ」でもある。

 特に、歴史や科学は、TOEIC問題ではまずお目にかかることができない。

 だからこそ、テスト問題としてのみならず、「読み物」として興味が湧く。

 TOEIC一辺倒の時は、英字新聞では社説くらいしか読んでいなかった私であるが、英検対策にシフトした以降、英字紙を俯瞰して、まんべんなく内容を読むようになった。

 そして、科学・エコロジー欄などを(社説とともに)注視するようになった。

 TOEICだけでは見えなかった風景がそこに広がったのである。

 こうした視点の変化は、英語学習にとっての活性化につながる。

 TOEIC学習者にとって、英検トレーニングは「新鮮味」がある。

 さらに英作文について。

 TOEICとの大きな違いは、英検には一次試験でライティングがあること。

(二次試験までいけば、同様にスピーキングがある)

 英作文は簡単なようでけっこう手ごわい。

 題目は社会問題の賛否を問うもの。

 論旨の良し悪しではなく、「書き物」として、英語総合力が判定される。

 過去問題の解答例などを見ると、シンプルかつ読ませる文章の工夫がある。

 結構、わかっているようで、いざ鉛筆を握るとこれが難しい。

 全問マークシートTOEICと違い、英検の英作文はテストの肝である。

 3.まとめ(TOEICへの帰還)

 リスニング試験についてもTOEICと英検は似て非なり。

 TOEICのリスニングが得意であれば、ある程度のコツはつかめる。

 ただし、英検は、より日常に則した会話であったり、それとは逆に、学術的、論理的な指向も伴うつくりになっている。

 イレズミをした男は娘の彼氏にふさわしくないと嘆く父親。

 アップルコンピュータ創設者、スティーブ・ジョブズマーケティング戦略

 こうした多種多様な話題や背景は、英検の特色でありTOEICの比ではない。

 「ビジネスの世界ではTOEICの評価が唯一」

 「英検なんて時間のムダ」

 こういう話を聞くと胸が詰まる。

 TOEIC学習でいちばんもったいないのは「挫折」である。

 TOEICが嫌になった場合、いかに延命措置を考えるか?

 英検こそTOEIC学習者にとって福音である。

 マンネリの打破と初心回帰。

 TOEICが嫌になったら英検に挑戦しよう。

 再びTOEICにチャレンジする日のために…。